インターホンの上が、すっかり静かになりました。
あの賑やかなエサねだりの声も、羽をばたつかせる音も、もう聞こえません。
Fortune innの軒先を舞台にした燕の物語は、2026年7月5日ひとつの区切りを迎えました。
巣立ち前、最後の数日
前回お伝えした「巣立ち間近」の状態から、ヒナたちはあっという間に次の段階に進みました。
昼は飛ぶ練習、夜は巣へ
日中、親鳥に連れられて何度も飛び立つ姿が見られるようになりました。
最初はぎこちなく、危うい様子でしたが、それでも立派な「初めての飛行」です。
面白いのは、練習を終えた夕方になると、ちゃんとこの巣に戻ってきていたこと。
日が暮れる前にインターホンの上を見上げると、ぎゅうぎゅうに身を寄せ合うヒナたちの姿がありました。
まるで「今日はここまで」と自分で決めているようで、見ているこちらまで安心したものです。
途中、ヒナが巣から落ちてしまったこと
その練習の途中、ヒナが巣から落ちてしまう出来事もありました。
羽ばたきに力がついてくる時期は、こうしたことも起こります。
とても残念な気持ちになりましたが、それも含めて命が育っていく過程なのだと、あらためて感じさせられました。
ある日を境に、戻らなくなった
そうして毎晩戻ってきていたヒナたちが、7月5日、ついに巣に戻ってきませんでした。
前日までと同じように昼間は飛んでいたので、最初は「今日も練習かな」と思って見ていたのですが、日が暮れても、次の日になっても、巣は空っぽのまま。
あれほど賑やかだった軒先が、拍子抜けするくらい静かになりました。
寂しさもありますが、これは燕の子育てとして自然な流れです。
ある程度飛べるようになると、練習を重ねながら少しずつ巣から離れ、そのまま独立していきます。
2羽、元気に巣立ちました
途中で雛を失う出来事があった一方、残る2羽は最後まで元気に育ち、無事に巣立って行きました。
卵からここまで、およそひと月半。
生まれたときは小指の先ほどだった小さな命が、自分の力で空へ飛び出していく姿を見届けられたのは、この宿を営んでいて本当に良かったと思える出来事でした。
来年もまた、この軒先へ
「燕がやってきました」から始まったこの春の物語も、これにて完結です。
振り返りたい方は、これまでの記事もあわせてどうぞ。
関連記事:Fortune innに幸運を運ぶ春の小さなお客さまがやってきました
関連記事:燕のヒナの成長記録
関連記事:もう立派な燕の顔つきに|Fortune inn ヒナの巣立ちが近づいてきました
燕には、毎年同じ巣に戻ってくる帰巣本能があると言われています。
この軒先も、来年また誰かが選んでくれるかもしれません。
2羽の若い燕がどこかで元気に過ごし、また来年、Fortune innへ帰ってきてくれることを願っています。
そのときはまた、幸運の鯉とともにご報告させてくださいね。
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